ニュートン(英: newton、記号: N)は、 国際単位系(SI)における力の単位。1ニュートンは、1 kgの質量を持つ物体に1 m/s2の加速度を生じさせる力である。名称は古典力学で有名なイギリスの物理学者アイザック・ニュートンに因む。
習慣的にトルクの単位であるニュートンメートルのメートルを省略し「ニュートン」と言う場合があるが、誤用である。
名称
「ニュートン」(newton)の名称は、1904年4月にブリストル大学のデビッド・ロバートソン(1875-1941)が提唱したものである。
1913年の第5回国際度量衡総会は、ニュートンを力の単位として提案した。
1946年、国際度量衡委員会(CIPM)において、力の単位は1キログラムの質量に1 m/s2 の加速度を生じさせる力であるとの定義が決議された。
1948年の第9回国際度量衡総会(CGPM)は、このMKS単位系における力に「ニュートン」(newton)の名称と記号「N」を与える決議を採択した。
人名に因む計量単位であるため、単位記号は大文字・立体の「N」と表記される。ただし英語で本単位の意味であるニュートンと書き出す場合は「newton」とする(国際単位系#単位の英語名称、一般的にアイザック・ニュートンを含め人名を示す場合は「Newton」とする。)。
定義
1ニュートンは、1キログラムの質量をもつ物体に1メートル毎秒毎秒(m/s2)の加速度を生じさせる力と定義される。運動の第2法則はF = maとし、Fが力、mが質量、aが加速度である。単位で表すと以下のようになる:
つまり、物理単位で書き表すと N = kg·m/s2 (キログラムメートル毎秒毎秒)となる。
また、次元解析でを力、を質量、を長さ、を時間とした場合の式:
重量
重量が重力によって2つの物体の間に働く力と定義されているので、ニュートンはまた重量の単位でもある。重力加速度は地球上の場所によってわずかに異なるが、地球表面において質量1キログラムの物体の重量は約9.81ニュートンである。
重量キログラムは標準重力上で質量1 kgの物体の重量を1 kgfと定義している。
リンゴによる力の表現
ニュートンのリンゴについての逸話にちなんで、力学の教科書での重力の説明にリンゴを用いたり、リンゴ1個に働く重力が 1 N であるという説明がなされることがある。
より正確には質量102 g のリンゴに働く重力が、0.102 kg × 9.80665 m/s2 = 1.00 N ということになる。ただし、日本で流通しているリンゴは海外と比較して大きいものが多く、質量が102 g を上回る品種がほとんどである。
リンゴの比重が 1.0 (水と同じ)であり、真球であるとすると、質量102 g のりんごの直径は約 5.8 cm となる(超球の体積#公式)。このことからも、実際の市販されているリンゴとしては小さすぎることが分かる。このため、リンゴに替えて、1 N を、みかんやキウイまたは単1マンガン乾電池 1個に働く重力との説明もある。
換算
脚注
注釈
出典




