猿島郡(さしまぐん)は、茨城県(下総国)の郡。

人口31,457人、面積69.7km²、人口密度451人/km²。(2025年2月1日、推計人口)

以下の2町を含む。

  • 五霞町(ごかまち)
  • 境町(さかいまち)

郡域

1879年(明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記2町から五霞町を除き、下記を加えた区域にあたる。

  • 坂東市の全域
  • 古河市の一部(北山田、谷貝、東山田、長左ェ門新田、山田、新和田、大和田、仁連、上片田、下片田、駒込、五部、上和田、諸川、諸川新田)

古代

式内社

『延喜式』神名帳に記される郡内の式内社。

近代以降

1896年(明治29年)に、西葛飾郡と合併して発足し、郡制を施行。当初の郡役所は境町にあった。現在の郡域は、境町と利根川対岸の五霞町の2町からなる。

沿革

  • 「旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点での支配は以下の通り。●は村内に寺社領が存在。下記のほか、諸川新田、生子新田、幸田新田、猫実新田、神田山新田、大口新田、内ノ山村(いずれも幕府領)が存在したが、記載されていない。内ノ山村は沓掛村に、その他は同名の村に含まれているものと推測される。また、東山田村(新田)、東山田新田吉左衛門受は東山田村に、馬立村(新田)は馬立村に含める。(1町81村)
  • 慶応4年6月27日(1868年8月15日) - 幕府領・旗本領が常陸知県事の管轄となる。
  • 明治2年2月9日(1869年3月21日) - 常陸知県事の管轄地域に若森県を設置。
  • 明治4年
    • 7月14日(1871年8月29日) - 廃藩置県により下総関宿藩、下総古河藩、下野壬生藩、丹後峰岡藩がそれぞれ関宿県古河県壬生県峰岡県となる。
    • 11月2日(1871年12月13日) - 第1次府県統合により峰岡県が豊岡県に統合。当面の間、旧峰岡県の飛地を管轄。
    • 11月14日(1871年12月25日) - 第1次府県統合により全域が印旛県の管轄となる。
  • 1873年(明治6年)6月15日 - 印旛県が木更津県と統合して千葉県が発足。
  • 1875年(明治8年)5月7日 - 千葉県管下の下総国のうち利根川以北の区域が茨城県に移管。
  • 1878年(明治11年)12月2日 - 郡区町村編制法の茨城県での施行により、行政区画としての猿島郡が発足。境町に「猿島西葛飾郡役所」が設置され、西葛飾郡とともに管轄。
  • 1886年(明治19年) - 馬立村新田と大浜新田が合併して大馬新田となる。(1町80村)

町村制以降の沿革

  • 1889年(明治22年)
    • 3月31日 - 下記の町村の統合が行われる。(1町17村)
      • 静村 ← 横塚村、塚崎村、稲尾村、志鳥村(現・境町)
      • 長田村 ← 長井戸村、猿山村、蛇池村、下砂井村、栗山村、西泉田村、上小橋村(現・境町)
      • 八俣村 ← 北山田村、谷貝町、東山田村、長左衛門新田、山田村(現・古河市)
      • 幸島村 ← 新和田村、大和田村、仁連町、上片田村、下片田村、駒込村、五部村、上和田村、諸川町、諸川新田(現・古河市)
      • 猿島村 ← 下小橋村、山崎村、内門村、大歩村、染谷村、浦向村、金岡村(現・境町)
      • 森戸村 ← 伏木村、百戸村、一ノ谷村、若林村(現・境町)
      • 生子菅村 ← 生子村、生子新田、菅谷村(現・坂東市)
      • 逆井山村 ← 逆井村、山村(現・坂東市)
      • 七重村 ← 半谷村、富田村、借宿村、駒跿村、寺久村、三村、上出島村(現・坂東市)
      • 沓掛村 ← 沓掛村、内野山村(現・坂東市)
      • 弓馬田村 ← 弓田村、馬立村、幸田村(現・坂東市)
      • 飯島村 ← 大馬新田、平八新田、勘助新田、幸田新田、猫実新田、神田山新田、大口新田、庄右衛門新田(現・坂東市)
      • 神大実村 ← 神田山村、大口村、猫実村(現・坂東市)
      • 岩井村 ← 岩井村、辺田村、鵠戸村(現・坂東市)
      • 七郷村 ← 法師戸村、矢作村、大崎村、小泉村、大谷口村、下出島村、中里村(現・坂東市)
      • 中川村 ← 長谷村、桐木村、小山村、莚打村(現・坂東市)
      • 境町(単独町制。現・境町)
      • 長須村(単独村制。現・坂東市)
    • 4月1日 - 上記1町17村が町村制を施行。
  • 1896年(明治29年)
    • 4月1日 - 猿島郡・西葛飾郡の区域をもって、改めて猿島郡が発足。旧西葛飾郡の古河町新郷村勝鹿村岡郷村桜井村香取村(現古河市)、五霞村(現五霞町)の1町7村が本郡の所属となる。(2町23村)
    • 7月1日 - 郡制を施行。
  • 1899年(明治32年)4月1日
    • 中川村の一部(長谷・小山・莚打の各一部)が千葉県東葛飾郡川間村(現野田市)に編入。
    • 千葉県東葛飾郡木間ヶ瀬村の一部(木間ヶ瀬の一部)・二川村の一部(古布内の一部)が五霞村に編入。
    • 千葉県東葛飾郡二川村の一部(新田戸・桐ヶ作の各一部)が森戸村に編入。
  • 1900年(明治33年)7月4日 - 岩井村が町制施行し、岩井町となる。(3町22村)
  • 1923年(大正12年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
  • 1926年(大正15年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
  • 1932年(昭和7年)7月1日 - 新郷村伊賀袋、立崎の一部が埼玉県北埼玉郡川辺村(現加須市)に編入。
  • 1935年(昭和10年)時点での当郡の面積は301.85平方km、人口は120,810人(男58,643人・女62,167人)。
  • 1950年(昭和25年)8月1日 - 古河町が市制施行し、古河市となり郡より離脱。(2町22村)
  • 1954年(昭和29年)3月20日 - 沓掛村が町制施行し、沓掛町となる。(3町21村)
  • 1955年(昭和30年)
    • 2月1日 - 生子菅村・逆井山村が合併し、富里村が発足。(3町20村)
    • 2月11日 - 幸島村・八俣村が結城郡名崎村と合併し、三和村が発足。(3町19村)
    • 3月1日 - 岩井町・中川村・七郷村・神大実村・飯島村・弓馬田村・七重村・長須村が合併し、改めて岩井町が発足。(3町12村)
    • 3月15日 - 新郷村が古河市に編入。(3町11村)
    • 3月16日(3町4村)
      • 勝鹿村・岡郷村・桜井村・香取村が合併し、総和村が発足。
      • 境町・静村・長田村・猿島村・森戸村が合併し、境町が発足。
  • 1956年(昭和31年)4月1日 - 沓掛町・富里村が合併し、富里町が発足。富里町は即日改称して猿島町となる。(3町3村)
  • 1968年(昭和43年)1月1日 - 総和村が町制施行し、総和町となる。(4町2村)
  • 1969年(昭和44年)1月1日 - 三和村(みわむら)が町制施行、即日改称し、三和町(さんわまち)となる。(5町1村)
  • 1972年(昭和47年)4月1日 - 岩井町が市制施行し、岩井市となり郡より離脱。(4町1村)
  • 1996年(平成8年)6月1日 - 五霞村が町制施行し、五霞町となる。(5町)
  • 2005年(平成17年)
    • 3月22日 - 猿島町が岩井市と合併し、坂東市が発足、郡より離脱。(4町)
    • 9月12日 - 総和町・三和町が古河市と合併し、改めて古河市が発足、郡より離脱。(2町)

変遷表

地理

首都・東京から60 km圏にあって、利根川沿岸の低湿地と中央部の猿島台地からなる。飯沼や長井戸沼など多くの沼地は干拓され、水田として利用されている。主産業は近郊農業で土地の大部分が農地に利用されており、旧三和町・総和町があった現在の古河市や境町では工業化が進展して、丘里・北利根・配電盤など工業団地が造成された地域がある。

郡の中心部を鉄道が通過しておらず、県最西端の古河市を通るJR古河駅を利用する。道路網は発達しており、国道や県道が縦横に走っており、北端を国道125号、南端を国道354号が東西に走り、南北方向に国道4号が貫く。近年は高速道路である首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の開発が進められ、一部で開通している。1964年(昭和39年)に開通した境大橋は、県西地域と東京都心へと結ぶ短絡路にあたり、交通量が多い。

行政

猿島・西葛飾郡長
猿島郡長

脚注

参考文献

  • 大植四郎 編『国民過去帳 明治之巻』尚古房、1935年。https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1262271。 
  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 8 茨城県、角川書店、1983年12月1日。ISBN 4040010809。 
  • 旧高旧領取調帳データベース
  • 高橋昭 著、茨城新聞社編 編『茨城県大百科事典』茨城新聞社、1981年、458頁。「猿島郡」 

首都圏からこんな近くに無人島が?「猿島」初上陸! たびこふれ

猿島|THE GATE|日本の旅行観光マガジン・観光旅行情報掲載

かつての軍の要塞、ショッカーの基地、猿島の歴史建造物を巡る / Kintotoさんの観光の活動データ YAMAP / ヤマップ

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